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相続コラム

【相続税とは?】仕組み・計算方法・節税対策をわかりやすく解説|初めての相続対策ガイド

【導入】相続税のこと、そろそろ知っておきませんか?

「親の相続、どうしたらいいんだろう…」
「相続税って、どれくらいかかるの?」

このような不安を感じて、初めて「相続」や「相続税」という言葉を検索する方は多いのではないでしょうか。

相続は誰にでも起こる身近な出来事です。しかし、いざ相続が発生すると、「何から始めればいいのか」「どんな税金がかかるのか」が分からず戸惑う方がほとんどです。

この記事では、相続税の基本的な仕組みや計算方法、生前対策による節税の考え方をわかりやすく解説します。
「相続を円滑に行うための第一歩」として、ぜひ最後までご覧ください。

相続とは?まずは“仕組み”を理解しよう

相続の基本的な意味

「相続」とは、亡くなった方(被相続人)の財産を、家族などが引き継ぐことを指します。
財産と聞くと「お金」や「土地」を想像しがちですが、実際には次のようなものが含まれます。
・預貯金、現金、株式、投資信託などの金融資産
・土地・建物などの不動産
・生命保険金(受取人による)
・自動車、貴金属、骨董品などの資産
・借金やローンなどの負債(マイナスの財産)
つまり、相続はプラスの財産だけでなくマイナスの財産も引き継ぐという点がポイントです。

法定相続人と相続分のルール

相続できる人(=法定相続人)は民法で決まっています。 主な範囲は次のとおりです。

続柄法定相続人になるか
配偶者常に相続人
子ども第1順位の相続人
両親(直系尊属)子がいない場合
兄弟姉妹子も親もいない場合

遺言書がある場合・ない場合

遺言書がある場合は、基本的にその内容が優先されます。
しかし遺言がなければ、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」により、財産の分け方を決めなければなりません。

そのため、トラブルを防ぐためには遺言書の作成がとても重要です。

相続税とは?誰が払うの?いつまでに?

相続税の基本

相続税とは、亡くなられた人(被相続人)から、お金や土地などの財産を引き継いただ(相続した)場合に課される税金です。ただし、すべての人に相続税がかかるわけではありません。
具体的には、相続した財産の額から、借金や葬儀費用などの債務を控除した後の額が一定の額(基礎控除額)を上回る場合に相続税がかかります。

相続税の対象になる財産・ならない財産

相続税の課税対象となる財産は、亡くなられた人(被相続人)から相続人に引き継がれる一切の権利や義務のことをいい、被相続人が亡くなった時点で保有していた財産と債務のすべてをさします。

相続財産の例:
【プラスの財産】
・現金、預貯金
・不動産(土地、建物など)
・株式、投資信託
・貸付金、債権
・自動車、貴金属、骨董品
・ゴルフ会員権、損害賠償請求権など

【マイナスの財産】
・住宅ローン、自動車ローン
・借入金
・未払いの税金
・未払いの家賃、公共料金、医療費など

相続財産にならないものの例:
・墓地、墓石、仏壇、仏具
・生命保険金の一部(非課税枠あり)
・死亡退職金の一部(非課税枠あり)など

相続税の申告期限・納付期限

相続税の申告は、相続の開始(死亡)から10ヶ月以内に行う必要があります。
申告期限までに納付ができないと、延滞税や加算税が発生するため注意が必要です。

相続税の申告は、被相続人の住所地を管轄する税務署に行います。

相続税の計算方法をわかりやすく解説

相続税の計算手順

相続税の計算は次の流れで行われます。

1.相続財産の総額を把握する
2.債務(借金など)や葬式費用を差し引く
3.基礎控除額を差し引く
4.課税遺産総額に税率をかけて相続税を計算
5.各相続人の相続分に応じて按分

基礎控除の計算式

相続税には「基礎控除」という非課税枠があります。
計算式は以下のとおりです。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人(合計3人)の場合、
基礎控除は「3,000万円+600万円×3=4,800万円」となります。

遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。

課税価格税率控除額
1,000万円以下10%0円
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2.700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

【例】相続税のシミュレーション(法定相続分で遺産分割した場合)

相続財産:8,000万円
法定相続人:3人(配偶者・子ども2人)

基礎控除額=4,800万円
課税対象額=8,000万円−4,800万円=3,200万円

相続税額
 配偶者:1,600万円×15%−50万円=190万円
 子A:800万円×10%=80万円
 子B:800万円×10%=80万円
 合計:350万円
 配偶者の税額軽減を適用すると175万円

相続税を減らす!生前からできる節税対策

生前贈与を活用する

相続税対策として代表的なものが「生前贈与」です。
年間110万円までは贈与税がかからないため、毎年コツコツと財産を移すことで相続財産を減らすことができます。
ただし、被相続人が亡くなる前の一定期間に行われた贈与は、相続時に相続財産に加算され、相続税の対象となります。
令和5年までに贈与された財産については、相続開始前3年以内に行われた贈与が相続財産に加算される対象になります。
令和6年以降に贈与される財産については、相続税の対象になる期間が順次延長され、最終的には相続開始前7年以内に行われた贈与が相続財産に加算される対象になります。

特例贈与(教育・住宅・結婚資金)

一定の条件を満たすと、次のような特例も利用可能です。

・教育資金一括贈与:1,500万円まで非課税
・住宅取得等資金贈与:最大1,000万円まで非課税
・結婚・子育て資金一括贈与:最大1,000万円まで非課税

生命保険を活用する

生命保険には「500万円×法定相続人」の非課税枠があります。
たとえば相続人が3人なら、1,500万円まで非課税で受け取れます。
また、現金で受け取れるため納税資金の確保にも役立ちます。

小規模宅地等の特例

被相続人の自宅や事業用地などについては、評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」があります。
土地の評価額が大きい場合は、この特例の有無で税額が大きく変わります。

相続の流れと手続きのポイント

相続発生から申告までの流れ

1.被相続人の死亡
2.戸籍収集・相続人の確定
3.財産調査
4.遺言書の確認
5.遺産分割協議
6.名義変更・相続登記
7.相続税の申告・納付

相続登記は義務化に

2024年4月から、相続登記が義務化されました。
相続によって不動産を取得した場合、3年以内に登記を行わないと過料(罰金)の対象となります。

相続放棄・限定承認

借金などのマイナス財産が多い場合、「相続放棄」や「限定承認」でリスクを回避することも可能です。
家庭裁判所に申し立てることで、相続をしない(またはプラスの範囲内のみ引き継ぐ)ことができます。

相続トラブルを防ぐには?専門家の活用がカギ

相続トラブルの多くは、「財産の内容が不明」「相続人同士の認識のズレ」「遺言書がない」ことから発生します。

よくあるトラブル

・不動産の分割をめぐる争い
・介護をした子とそうでない子の不公平感
・生前贈与の扱いをめぐる意見の対立

専門家に相談するメリット

相続は法律・税金・登記などが複雑に絡み合うため、専門家のサポートが不可欠です。

専門家主な役割
税理士相続税の計算・申告・節税対策
司法書士相続登記や名義変更
行政書士遺言書作成・遺産分割協議書の作成

早めに相談することで、相続発生後のトラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ:相続税を正しく理解して“家族を守る”

相続税は「一部のお金持ちの話」と思われがちですが、都心の不動産や持ち家を所有しているだけで課税対象になるケースも少なくありません。

大切なのは、「事前の準備をしておく」ことです。
生前のうちに、財産を整理し、家族と話し合い、必要に応じて専門家に相談しておく。
それが最も確実な「相続対策」であり、家族を守るための第一歩です。